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【Q&A公開】倒産危機に備える事前準備と知識【偏頗弁済/へんぱべんさい】

 

#38【相談者からのQ&A】

 

新型コロナウィルス感染防止対策による営業自粛、時間短縮の要請により、飲食店を中心にレジャー施設や観光業など、多業種にわたり経営の危機に直面している中小企業、個人事業の社長さんたちが日本中にあふれてきました。

 

 長期的予想をされる経営危機。「あきらめ倒産」なんていう言葉まで現れました。

 

今回の内容は、万一の時の予備知識、事前準備のため、相談者さんからのよくある質問「偏頗弁済」について、Q&Aも含めて解説します。

 

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【偏頗弁済(へんぱべんさい)とは?】

 

「知人と親戚にお金を借りてて、

先きに返しておきたいと思ってるけど

場合によっては違法なんでしょうか」

「偏頗弁済って何ですか?」


 

偏頗弁済は「優先弁済」とも言います。

免責不許可自由にあたる一つです。

 

弁護士に破産手続きの依頼をした直前(数か月前)とその後に一部の債権者への不自然な支払いや、まとまった返済があり、管財人が「不正な返済」と判断した場合「偏頗弁済」となり、返済先にお金を取り戻しに行くケースがあります。

戻らない場合やその額や内容によっては破産手続きが遅れたり、免責が不許可になる場合があります。

 

「不正な返済」とは、破産手続きには「全ての債権者に対して平等に手続きを行う」とあります。

これを「債権者平等の原則」いいます。この原則があるため、一部の債権者を優遇してはならないのです。

 

親族や友人とはいえ、金融機関や取引先と同じくくりとなります。

親族や友人、親しい取引先への返済は少額であっても、すでに他の返済が滞っている場合は「偏頗弁済」になる可能性があるので、慎重に事前によく考えて行ってください。

 

 

【偏頗弁済と判断される時期とは?】

 

倒産と同時自己破産が必要なければ当然、いつでも誰にでも自由に返済ができます。

簡単に言うと「返済を継続している段階では、誰にどれだけ返済しても自由である」とういうことです。

 

では、どうゆう段階で判断されるのか?

 

1、資金繰りが苦しく、すでに数社(数行)に対して返済が滞っている状態の時

 

2、代理人弁護士を正式に選任(依頼)して破産手続きの準備に入った後

 

以上の2点があると調査対象となる可能性があるので注意が必要です。

 

 

【よくある偏頗弁済になるケース】

 

1、親兄弟、親戚や知人、創業時からお世話になっている取引先などからの借入れ、仕入れを優先的に返済してしまうケースです。

迷惑をかけたくない、今後のお付き合いのためにもと、返済しておきたい気持ちはわかりますが、発覚すると管財人から事情を聴かれたたり、取り返されたりと逆に迷惑をかけてしまいます。

 

2、少ない額を返済した。20社に対して返済を止めているのに「1社だけあと3万円だから支払いした」これも偏頗弁済にあたり金額の大小ではありません。

 

アース法律事務所

 

【支払いしても偏頗弁済にならないケース】

 

1、個人の生活の為に必要とされているもの。自宅家賃、携帯代、光熱費、税金、健康保険料です。

 

2、返済義務(借入れとしない)のない「贈与」とする、第3者からによる支払い。

 

 

【偏頗弁済によって免責が不許可になったケース】

 

1、まだ見たことがありませんし、聞いたこともありません。

私がこの活動をはじめてからは、相談者さんや倒産経験者、活動仲間からの話で、偏頗弁済にあたる内容があっても「不許可事由」となった例はまだ聞いておりません。

「管財人が取り戻しに行った」ことのは聞いたことがあります。

 

どの程度から不許可事由にあたる「悪質」と判断されるのかは実際のところ分かっておりません。

特定の人にだけ多額の債務を支払い、回収もできなくて他の債権者に多額の損害を与える悪質なケースの場合は「不許可事由」にあたる可能性は大きいでしょう。

 

 

【相談者さんからの実際にあったQ&A】

 

Q1:父の会社を受け継ぐために3年前に入社しましたが、コロナの影響で倒産することになりました。そこで保証人ではない私が倒産後も会社を継続させようと考えてます。現在の取引先とその後の継続維持のために、支払いを終わらせておこうと考えております。すでに発生している請求書の日付を早めて再発行してもらい支払いしても問題ないでしょうか。

 

A1:すでに滞っている支払いがあるなら偏頗弁済になります。請求書の日付変更も不自然なのでやめておいた方がいいでしょう。

案としては取引先に対して会社を再起した後、債務を支払っていくことで取引継続のお願いをしてみることでしょう。

 

 

Q2コロナの影響でかなり厳しい状況です。現在ある対策制度を使って金融機関から運転資金の調達ができました。この資金から私個人が会社に貸してる(決算書にも記載あり)200万円を返済(自分が受取る)しても問題ないでしょうか。

 

A2:倒産、破産手続きに入る予定がなければ問題ないです。しかし、すでに数社へ支払いが遅れていて数ヶ月以内に倒産手続きをする可能性があるなら社長本人とはいえ、その時は偏頗弁済となる可能性があります。どのみち、手続き後の自由財産の現金は99万円と決まっているので、残しておくことはできないのです。

 

 

【まとめ】

 

 多くの相談者さんが、親族や知人に対してなんとか返済をしておきたいと思うのは、法的には免責(借金0円)になっていても金融機関や取引先とちがい、そうゆう訳にはいかないからと考えているからです。

 

しかし、法の目をくぐってリスクをおかし、なんとかしたいと考えるよりも、よく話し合い、その後の収入から少しづつでも返済していくことを考えることのほうがよいと思っております。

厳しい状況の中、なんとかがんばってください。

 


今回の内容の一部は、私が運営しております講座、個別相談で配布しいる弁護士も教えてくれない事前準備知識テキスト・よしまた立ち上がろう!」から引用しております。

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