
このブログの内容はこちらのブログでも詳しく紹介⇒「Q&A 管財人は粉飾決算をゆるすか?」
【2021年1月、新型コロナ感染の再拡大による、2度目の「緊急事態宣言」が出され、多業種にわたり経営の危機に直面している社長さんたちが日本中にあふれてきております。なんとかふんばって、がんばっていただきたいと、心より応援致します。】
決算が近くなると気になるのが決算書の着地です。
「赤字」計上であれば、運転資金の調達や銀行の顔色が気になるところです。経営者は少しでも決算書をよく見せようと考え始めます。
私の相談者には「粉飾決算」をしている方が多くいます。
経営者でない一般人はこれを「脱税」や「売上げ金隠し」など悪いイメージがあるようです。
しかしそうではなく、業績が苦しい小規模企業が銀行からの「運転資金」追加借入れをしやすくするために業績をよく見せる為のケースががほとんどです。
いけないことなんですけどね....
よくされている方法は在庫の単価や数の「過剰計上」と「架空の売掛金」でしょう。この2つはよく耳にします。
税金も実際より多く払っている場合があります。
上記のような「粉飾決算」をしていた場合「管財人にばれたらどうしよう、叱られる、免責ができなくなる…」などと思ってしまうはずです。
でも、あまりご心配なく。いたって大丈夫なケースが多いです。
このケースの粉飾決算では、罪に問われたり叱られることは、ほぼありません。
私も実はやっておりました...在庫の「過剰計上」です。
決算書バランスシートと直近の損益計算書の棚卸資産を増やしていたんです。
管財人が決算書をみて質問をしてきます「在庫が異様に多いけどほんとにあるの?」と…私は「あの、、実はそれ粉飾決算をしてまして…」と正直に言いますと、管財人が「あーそう」と一言で片づけます。
こんなケースはよくあるんだと感じました。そしてさっさと次の質問へ…。
私が体験した印象ですと管財人弁護士にとって先のケースの「粉飾決算」はどうでもいいレベルとも感じましたので、さほど心配することは無いかと思います。
余談ですが、管財人弁護士に会社を倒産させてしまったことを謝ったら叱られました。
「私に謝るんじゃなくて債権者に謝って下さい」と。
(※当然ですが、在庫を隠している、売上金を隠しているなどの脱税にあたるケースは罪となります)
◇ 管財人とは ◇
裁判所から選任される弁護士のことで「破産管財人」といいます。
依頼先弁護士は「破産代理人弁護士」といいます。
破産管財人が選出されると、代理人弁護士とバトンタッチが行われるイメージです。
管財人は会社や社長個人の財産を調査、管理、換金、取引、処分などを行い債権者に対して配当、報告をします。
破産側と債権者との間で中立的な立場で淡々と任務をこなしていきます。
債権者集会が完全に終了するまでの間、しばらくの付き合いが続きます。
社長は協力義務があるため、質問や書類の提出を求められたり、リース品(コピー機とか)の引き上げや撤去作業の立ち合いを頼まれたりします。
よく「管財人から叱られるのでは」と思っている方がいるようですが、そんなことはなく、逆に謝る必要もありません。
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